前回は15Lの少し小さめのバスレフ箱を使ったサブウーハーを試聴しました。今回は、23Lと大き目のバスレフ箱で評価を行います。(25.06.21追記)
外観
正面から見ると、あまり変わらないですが…
サブウーハーの奥行が伸びており、容量が増えています。
15L→23Lという数字以上に大きく感じますね。
試聴は、前回と同じ約60Hzクロスで行いました。
組み合わせるスピーカーも、前回と同じ「TAD TSM-2201-LR」です。
試聴感想
まず、この23L箱のサブウーハーで、良かった点を挙げてみます。
15L箱では感じられなかった、超低域のパワー感が出てきました。
40Hz付近の旋律がしっかりと描かれ、サブウーハーとして期待される帯域まで十分にならすことができています。
JAZZのウッドベースは軽快に音階を刻み、スムーズな質感です。
SWの追加により音に潤いが出る感じがありました。
オーケストラのグランカッサでも、フワッとした風圧を感じる音です。
しかし、今一つな点も多かったのが、この23L箱でした。
まず、100Hz前後の低域に甘さがあるように感じられ、
低域の質感は課題が残ってしまいました。
このためか、サブウーハーを追加しても(確かに悪さはしないけれど)、音の質感の改善には至りません。
クロス周波数を変えたりしてみましたが、大枠の印象は変化しませんでした。40Hz付近の厚みに対して、80~150Hzの解像度が追い付いていない感じです。
たとえば、宇多田ヒカルの楽曲は、ベースの低音は余り感じにくいものでした。最低域のレスポンスはズシンズシンと来るが、その上のベースギターは控えめ。
クロス周波数を60Hzから80Hzへ上げると、グーグーという100Hz付近が出てくるのですが、キレがあまりなく中低域とのマッチングが良くありません。
鳴っているようで鳴ってくれないもどかしさがありました。
ダクトの交換
ちょっとこのままでは、せっかく作った23L箱が報われないので、バスレフダクト長を調整してみました。
ダクトを213mm→150mmへ。
バスレフダクトを150mmへ短くした状態で試聴してみます。
JAZZでは、ウッドベースもたっぷりとした量感で鳴るようになり、ゆったりとした感触に変わります。
宇多田ヒカルやアニソンの低音は、音階の明瞭さやスピード感は若干不足していますが、幅広い帯域でベースの存在感が出るようになったのは好印象です。
パイプオルガンは、静かで距離感のある低音。
グランカッサはホールの響きとよく馴染んでいます。打音の衝撃(アタックの描写)はあと一歩欲しいところでしょうか。
さらにダクトを短くしてもいいような気はしますが、次回は23Lバスレフ型サブウーハーの周波数特性を見ながら、これらの音の違いの原因について考えてみようと思います。
<製品紹介>